読書と読書会

読書会を文化として社会に根づかせたいと考えています。

【読書】谷川俊太郎『シャガールと木の葉』(2005年)より

 

 

「言葉は」

 

言葉は種子

いにしえからの大地に眠る

 

言葉は新芽

赤ん坊の唇に生れる

 

言葉は蕾

恋人たちの心にひそみ

 

言葉は花

歌われて大気に開く

 

言葉は枝

風にのって空をくすぐり

 

言葉は根っこ

ほのかな魂の闇にひろがる

 

言葉は葉っぱ

枯れて新しい季節にのぞみ

 

言葉は果実

苦しみの夜に実り

喜びの日々に熟して

 

限りなく深まる意味で

味わい尽くせぬ微妙な味で

人々の心をむすぶ